Pathological love
「ジリ………ただいま~。令ちゃんが帰って来たよ~…寂しいから直ぐ出て来てよ…フフッ………温かい………よしよしいい子ね。毎日遅くなってごめんね………お前達だけは私に愛想つかさないでね。」
二匹の愛猫に挟まれて最高にいい気分。
自分が一番素直でいれる至福の時間。
(そう言えば隣、いつの間に越して来たのよ………。どーしよ、やっぱ事情を聞きに行くべきかな?多分あの部屋の感じだと昨日の二人組では無いと思うけど…………前に飲み過ぎて隣の部屋開けようとしたり、ドアの前で寝ちゃった事もあるし………もしかして私が粗相したのかも知れない。)
「………ねぇーボンちゃん、ジリ~どうしたらいいと思う?」
チラッと隣のベランダの方に目をやる。
「う~…ん、明日あたり一応、菓子折り持って行ってみるか………。」
お腹の上でゴロゴロ喉を鳴らすボンを撫でながらまどろむ。
「何だか………少し………眠くなってきちゃった………な。」
バシャンッ!!
「おいっ!!!起きろっ!!!」
ジュワッと水が蒸発する音と、怒鳴り声に近い大きな声で揺さぶり起こされる。
「えっ?………ちょっと………何っ!?」
急に起こされてグワングワンする頭を、無理矢理押さえ込んで目を開けると、部屋中煙で充満していた。
「ゴホッ…ゴホッ…何これ?一体どうなってるの?」
「危ないからこっちに来いってっ!!」
「わぁっ!!」
正面から子供を抱える様に抱き上げられると、ベランダ伝いに隣の部屋に連れてこられた。