Pathological love
「そう言えば、今やってる仕事なんだけど結構大口で、今度イベント企画することになってさぁ。」
(美鈴さんに会ったこと、言った方がいいのかな?)
「実は偶然あんたの彼女に会っちゃって………。」
「はぁ?!彼女?誰の事言ってんの?」
(別に誤魔化さなくてもいいのに………。)
「新嶋 美鈴さん。」
「??」
「うそ?名前も知らないでクリスタルホテル行ったの?」
「クリスタルホテル?!…………あぁ、あの時の!!スカイラウンジで飲みたいって言うから付き合っただけ。あの時以来連絡取ってないし………。」
「白精堂、知ってるでしょ?そこの令嬢。」
「げっ………マジかよ………。」
彼は驚いた顔をして、固まっている。
「どうしたの?」
「そこの広告デザインのコンペ………俺の事務所にオファーがあったんだよ。へぇ~………そうゆう事か。」
「何納得してんの?」
「いくら海外で賞を取ってたって、日本じゃ認知度が低い俺が、何のコネも無しに大手の企業から名指しでオファーが来る筈無いと思ってたんだよ。俺に放置された恨みか………。」
「でも、彼女とても育ちの良さそうなお嬢様だったよ?綺麗で若いし、モテるだろうからそんな事根に持たないでしょ?」
「それならいいんだけど………。」
連理は何か気になる様で、暫く考え込んでいた。
「何も起こってないんだから考えたって無駄じゃない。ある意味チャンスなんだから頑張ればいいの!連理の目的もそこにあるんでしょ?」
「俺の目的?」
「日本で名を上げたいって言っていたじゃない?その為に私達は婚約してるわけだし………、この仕事で成功すれば、かなりの認知度になると思うけど?」