Pathological love

「あ…あぁ………確かに…そうだ。」


「ほら、ボーッとしてないでグラタン温め直したよ!食べよ!!美味しそう!!」


グツグツと煮立ったグラタンは如何にも美味しそうだ。

銀色の大きめのスプーンにすくって、大袈裟にフゥーフゥーと息を吹き掛けた。

連理を見るとまだ何か考え込んでいる様子。

私は、わざと大きな声を出した。


「いっただっきまーす!!」


グラタンを一気に口へと運ぶと、冷ました筈のグラタンは予想外に熱くて、私は更に大声を出してしまった。


「熱っ!!!」


「大丈夫かっ?!」


連理は素早く水を私に飲ませると、キッチンへと走って行った。


(う~…ヒリヒリする…火傷したぁ…。)


「ほら、こっち向いて。」


「ん?」


片手で私の顎をグッと引き上げると、氷水を入れたビニール袋を唇にそっと押し当てた。


「痛いか?」


「うぅん…少し舌がヒリヒリするくらいだから大丈夫…。」


「火傷は最初は酷くない様に見えるけど、跡が残ったりするんだ……ほら、口開けて………。」


言われた通り軽く口を開けると、連理は覗くように口の中を見て、持って来ていた氷水の中から一つ氷を取り出した。


「もう少し…口開けて………。」


火傷の手当てしてくれているだけなのに、何故か妙に意識してしまう。


カロンッと音を立てて、私の口の中に氷が入った。


「ん………。」


唇から溢れた溶けた氷が私の顎を通って下に落ちた。


「もっと気を付けろよ。」


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