Pathological love
私の職場は朝は特に忙しい。
患者さんの検温に血圧チェック、人によっては血糖値を計り、体調のチェックをする。
朝の申し送りが終わって取り敢えずは一段落だが、少しすると患者さんからのナースコールが始まる。
私の働く病院はホスピス、ガン末期患者の最後の砦。
余命を宣告された患者さんが少しでも心安らかに最後を迎えられるように心を尽くすのが私の役目。
「優(ゆう)ちゃん!おはよう!203号の山田さんのバイタル行ってくれた?」
「はい!さっき行ってきました!!」
「ごめんね急に頼んで………202号の栄さんがまた駄々こねちゃってさぁ。最近痴呆レベルも上がったから、またフォロー頼むかもしれないけど宜しくね。」
「栄さんは外邑(とのむら)さんじゃないとゆうこと聞かないですから仕方無いですよ。私が代われる事は言ってください!」
「あぁ~…優ちゃんはうちの天使だわ!癒しだわ~…!」
「何言ってるんですか!大袈裟です!!」
冗談だと分かっていても、褒められ慣れていない私はこんな時どうゆう顔をしたらいいのか分からなくなる。
くすぐったくて、でもどこか嬉しい気持ち。
それを察してか、いつも外邑さんはにっこり笑って頭をポンっと撫でてくれた。