Pathological love
寂しさが募ると同時に込み上げてくる怒りの感情。
どうしてもっと優しくしてくれないんだ。
どうして成功を誉めてくれないんだ。
どうして俺を受け入れてくれないんだ。
母親のくせに…………どうして…………
子供みたいな幼稚な不満が次々と溢れてくる。
決してこんな感情誰にも知られたくない。
それでも何かにぶつけないと心が弾けそうだった。
この心の乾きをどうにかしなくてはいけない。
俺の足は暫く遠退いていたいつものクラブへと向かっていた。
扉を開けると爆音のクラブミュージックが俺の全身を打っち、俺の頭を麻痺させる。
獲物を狩るように俺は辺りを見回して歩いていると、スルッと女の腕が巻き付いた。
「連理久し振り~!!全然来なかったじゃん!!寂しかったぁ~!!」
入ってきたばかりの俺をめざとく見つけて声を掛けてきたのは、明らかに尻の軽そうな服装の女。
俺の体に図々しく密着してくる。
「…寂しくさせてごめんな?仕事が忙しくて中々時間が取れなくて…。でも、今夜は寂しくさせないから。」
記憶にも残っていなかった女に、如何にもな台詞を耳元で吐くと、女はすっかり俺の腕の中に落ちた。
「ねぇ………VIP空いてるけど………行く?」
俺は答える変わりに薄く笑った。