Pathological love

「あぁ…赤坂部長にたまたま聞いた。………ちょっと子供っぽかったかな?こうゆう事したことないから分からなくて。」


少し照れ臭そうに目を逸らす彼はとても可愛いくて、私は思わず抱きついた。


「うわっ!何?!」


「ありがとう…連理。忙しいのにこんなに頑張ってくれて………嬉しい。」


素直な私の言葉に、彼は嬉しそうに笑顔を見せて、頭をぽんっと叩いた。


「今日はやけに素直じゃん。気持ちわりー…。」


「ちょっと!!気持ち悪いは言い過ぎでしょ!!」


私が仕返しとばかりに彼の胸を押しやると、連理は私の肩に腕を回して食卓まで促した。


「まぁ、まぁ、そうプリプリしないで、こっちにおいで。」


「食べ物で簡単に私の機嫌がよくなると思ったら大間違い…………」


連れてこられたいつものテーブルには綺麗なクロスが掛けられていて、色とりどりのパーティー料理の真ん中に大きなケーキが鎮座してあった。


“昇進おめでとう”


ホワイトチョコレートのプレートにはチョコレートの文字でそう書いてあった。


「こんなのいつの間に………作ったの?」


「おぉ………ケーキは初めてだけど中々だろ?」


両親が離婚する前、本当に幼い頃以来の手作りケーキだった。

ずっと夢見てた懐かしい光景。

気がつくと私の瞳からはポタポタと涙が溢れ落ちていた。

どうしてこの人は、いつも私が欲しかった物を意図も簡単に与えてくれるのだろう。


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