Pathological love
「何を言うつもりだよ………永遠なんて約束出来ないくせに………簡単に言うなっ!どうせお前だってっ………!!!」
連理は最後まで吐き出さずに途中で切ると、振り返りもせずにそのまま去って行った。
ズキンと胸が鈍く重く痛んだ。
永遠なんて約束出来ない………確かにそうだ。
優しかった父親も、あんなに愛した恋人も私の前から急に居なくなった。
でも………
でも…………
「確かにそう…かも知れない………だけど………だけど私は………」
絞り出すように自分の決意を声に出して行くけれど、口にした言葉を信じきれない自分が居た。
足元がグラついて、力が入らない。
「………幸せになって欲しいだけ…………なのに。」
過ぎ去る背中を見ながら、私は何も言えず立ち竦んでいた。
「………大丈夫ですか?」
山川くんの声で私は今の状況を思い出した。
「………山川くん…どうして此処にいるの?」
「僕は上から秋山さんに発破を掛けろとお達しがあったんです。そろそろ締め切りヤバイので………。何か僕の所為で拗れました?」
「ううん………平気、寝惚けた私が悪い。」
私の身体の中は訳のわからない感情で渦巻いていたけれど、居合わせた同僚には驚くほど冷静に対処していた。
何か一つ切っ掛けがあればあっとゆう間に決壊するだろう感情は、強がる事でギリギリ保たれている。