Pathological love
「僕から誤解を解きますよ。」
「気にしないで、自分で何とかする。それより、山川くんに報告しないで勝手に動いた事、ごめんなさい。どうしても気になって放って置けなくて………余り役には立たなかったけど…。」
「別に構わないよ。」
「それじゃあ先に失礼するね。お疲れ様。」
「待って、送るから一緒にー………あぁ、ごめん。今日は止めといた方がいいね。」
珍しく王子スマイルを歪めて山川くんは微笑んだ。
私はそれに応える様に小さく笑うと、山川くんを残して事務所を後にした。
一人になって溜め込んでいた息を一つ吐き出すと、ほろほろと涙も一緒に流れてきた。
「………こんなのまだ…序の口よ。………幸せそうに笑った顔見るまで絶対諦めない。」
人気のない電車の中、会社の最寄りの駅に着くまで私は好きなだけ涙を流した。