Pathological love
「愛人の子供だから、彼を愛せなくなったんですか?彼の顔がー」
「そうよっ!!悪い?私だって愛そうとしたわっ!!努力したのよ!あの子の事だって可愛いと思っていたわ………だけど、あの子の目がどんどん成長するにつれて、あの女の目に似てきて………まだ、若かったのよ………あの頃の私は怖くて…憎らしく思うことしか出来なくて…、どうしても一緒に居られなかった。あの子と顔を合わせると嫌なことを言って傷つけてしまいそうで………あの子の泣き顔を見たくなかったから………だから、ずっと関わらないようにして来たのよ!!」
震えながら、苦しそうな表情で訴える秋山代表を目の前にして、私は掛ける言葉が見つからなかった。
本当はいっぱい言いたい事があった筈なのに、十分苦しんでいるであろう目の前の女性を、これ以上は責める気にはなれなかった。
「彼は今でもあなたの眼差しを求めています。………目をそらさず今の連理をただ見てあげてください。お願いします。私も、逃げずに彼を見守るつもりです。」
私は秋山代表の返事は待たずに、車から降りた。
私の気持ちは伝えた。
後はあの人次第だ。
血の繋がりなんて関係ないと私は思いたい。
私は秋山代表の中の母性に賭けた。
「秋山 薫………連理のお母さん………。」