Pathological love
イベント当日。
野外公園にお洒落なテントを設置して、緑溢れる自然の中で新商品のモニターイベントを開催した。
各ブースごとに、それぞれ違う商品を試せる様に展示していて、中央には360度見渡すことが出来る円形のステージ。
連理のポスターやCM映像も巨大モニターから流れている。
私は達成感で、浮き足立つ気持ちを抑えるのに必死だった。
「水川主任!!イベント大成功ですね!!こんなに集まるなんて予想外でした!私、結構興奮してます!!」
「ええ、そうだね……美保ちゃん……実は私も!」
「話題のCMの効果もかなりありますしね?動画再生もかなりの回数だとか。やっぱり出来る男ですね!」
「うん。」
「水川主任…大丈夫ですか?さっきの事……。」
「別に気にしてないよ!」
メインイベントでは美鈴さんがポスターのモデルではないかと、かなりトークが盛り上がっていた。
当然の事だ。
彼女が婚約者になるのだから。
チリチリと痛む胸の痛みを、そっと胸に手を当てて押さえてみる。
「あっ!水川さん!お疲れ様です!さっきはありがとうございました!!何か私の話ばっかりですいませんでしたぁ!」
背後から高く綺麗な声が響く。
心なしか、何時もより更に高く聞こえた。
きっと彼女の今の気持ちを表しているのだろう。
「いいえ…美鈴さんのお陰でイベントは大成功です。」
「そう言って頂けると嬉しいです!」
微妙に張り詰めた空気を察してか、美保ちゃんが割って入って来た。
「水川主任、そろそろあちらのブースにチェックに行かないと…時間が押しているので……」
「ん?……あぁ、分かった。美鈴さん、それじゃあ失礼します。」