Pathological love
おどけた美保ちゃんの顔に少し気分が落ち着いたのか、自分のお腹もペコペコなのに気づいた。
本当に彼女の気遣いは助かる。
でも、いつまでも甘えることは出来ない。
「打ち上げは美鈴さんは来れないそうです!だから、いっぱい食べましょ?」
「フフッ……分かったから、そんな引っ張んないで!」
会場の中は既に多くの関係者達で賑わっていた。
「お疲れ様です!水川さん。」
加藤ちゃんはノースリーブの黒のシフォンのワンピースを着て、手にはシャンパンを持っていた。
ほんのりピンクに染まった頬が何とも色っぽい。
「加藤ちゃん!着替えて来たんだぁ!めっちゃ似合う!!」
「ありがとうございます!お二人はイベント会場から直接ですか?」
「えぇ、ギリギリまで掛かっちゃって……ごめんねこんな格好で。」
「打ち上げですから別にいいんですよ。私はもてなす方なので、一応こんな格好しなくちゃいけないんです。」
「あぁ!なるほど!!」
顔見知りで和んでいると、遠くの方で歓声の様な笑い声が聞こえて来た。
「あっちの人集りは何なんですか?凄い盛り上がってるみたいだけど?」
「あぁ、彼ですよ……秋山さんです。」
「えっ?来てたんですか?」
「うちの社長に連れてこられたみたいですよ?本人は全く乗り気じゃないみたいでしたけど……フフッ。」
何かあったのか、加藤ちゃんは思い出し笑いをしている。