Pathological love

おどけた美保ちゃんの顔に少し気分が落ち着いたのか、自分のお腹もペコペコなのに気づいた。

本当に彼女の気遣いは助かる。

でも、いつまでも甘えることは出来ない。


「打ち上げは美鈴さんは来れないそうです!だから、いっぱい食べましょ?」


「フフッ……分かったから、そんな引っ張んないで!」


会場の中は既に多くの関係者達で賑わっていた。


「お疲れ様です!水川さん。」


加藤ちゃんはノースリーブの黒のシフォンのワンピースを着て、手にはシャンパンを持っていた。

ほんのりピンクに染まった頬が何とも色っぽい。


「加藤ちゃん!着替えて来たんだぁ!めっちゃ似合う!!」


「ありがとうございます!お二人はイベント会場から直接ですか?」


「えぇ、ギリギリまで掛かっちゃって……ごめんねこんな格好で。」


「打ち上げですから別にいいんですよ。私はもてなす方なので、一応こんな格好しなくちゃいけないんです。」


「あぁ!なるほど!!」


顔見知りで和んでいると、遠くの方で歓声の様な笑い声が聞こえて来た。


「あっちの人集りは何なんですか?凄い盛り上がってるみたいだけど?」


「あぁ、彼ですよ……秋山さんです。」


「えっ?来てたんですか?」


「うちの社長に連れてこられたみたいですよ?本人は全く乗り気じゃないみたいでしたけど……フフッ。」


何かあったのか、加藤ちゃんは思い出し笑いをしている。


< 255 / 299 >

この作品をシェア

pagetop