Pathological love
『私にいくつか宛がある…その相手と上手く行けば、私の方から上に直接話せるし、誤解も解けやすい。騙す訳じゃないから悪い話じゃないだろ?』
(赤坂部長の紹介なら、出来る人に間違いない。これは相談所に行くよりかは早くて確実かも………取り敢えずの窮地を凌げるかもしれない。)
「………分かりました。宜しくお願いします!」
『そうか!!それなら問題ない。相手の方には話しておくよ。これが残されたチャンスだ。取り敢えず、切り抜ける事だけ考えろ…分かったな!!』
「はいっ!!」
『日は追って連絡する。』
「はい………それでは失礼します。」
見えない電話の先に頭を下げる、すっかり職業病だ。
緊張がほぐれ、携帯をテーブルに置くと一気に力が抜けた。
(はぁ~…紹介かぁ、何か憂鬱………。でも、仕方が無いか…昇進が掛かってるし。)
「仕事?」
「えっ?うん…まーね。」
「もう、食べないの?……鍋。」
「うぅぅん!!食べるっ!!」
私の様子を見て満足そうにフンッと鼻で笑うと、また山盛りに取り分けてくれた。
「ほら。」
色んな問題事があって頭が痛いけど、今は鍋とゆう目の前の幸せに浸ることにした。
「やっぱり、うまぁ~っ!!今度、絶対作り方教えてよ!!」
「別に………いいけど。本当にやる気ある?」
「一人で作れるようになりたいから絶対やる!!」
明らかに疑いの眼差しだったけど、意外と私の決意は固かった。