Pathological love
仲井も一緒に頭を下げている。
俺もずっと頭を下げたまま心から詫びた。
暫くの間、この部屋を沈黙が支配した。
「お嬢様!!お待ちください!!今、お客様がおいでです!!誰も入れるなと言われてましてー」
「私は娘よ!!退いて!!」
「お嬢様!!」
部屋の外の騒がしい遣り取りが聞こえて、社長室の扉が勢いよく開けられた。
「パパ!!」
「何を騒いでいるんだ美鈴、場をわきまえなさい。」
「秋山さんも居たんですね?丁度いいわ!!あのCMはどうゆう事ですか?全然私じゃないじゃない!!大恥をかいたわ!!」
「美鈴さん……最初のCMの時から、あなたをモデルにしたとは一言も言っていません。」
「っ?!!それは……そうだけど……でも、周りだって皆そう噂してたじゃない!!」
「美鈴さん……私が悪かったんです。私の心には大切な人が居ます。忘れようとしてもどうしても諦められません。交際の件はお断りします……申し訳ありません。」
「あんな女のどこがいいのよ!!私が秋山さんの事諦めるように言ったら、何も言い返さないで黙ってたわ!!その程度にしかあなたの事を思ってない人よ?!!それでもあの人がいいの?!!」
「美鈴……お前、秋山くんに婚約者が居るのを分かっていたのか?」
「パパ……それは……」
「彼女がどんな女だろうと、私は彼女を受け入れます。あの人じゃないと俺の全てが否定するんです。」
「パパっ!!どうにかしてよ!!この男は仕事の為に私を利用したのよ!!許せないわ!!」