Pathological love
それに、どうしても既婚者じゃないと安心できないとゆうのが本当の理由でもある。
ただ、誰かが選んだお墨付きが欲しいのだ。
うちは離婚家系なのだと子供の頃から離婚した母に言われ続けて育ったものだから、自分の男を見る目に酷く自信が無くなってしまった。
母の言葉を一度無視して、酷い目にも遭っている。
それ以来、私の恋愛脳はcloseしたままだ。
開ける予定も望みも無い。
心を動かさず、身体だけ繋がっている方が断然楽なのだ。
その証拠に相手に依存しないから、事が終わればスッキリして尚更仕事に打ち込めた。
「こんないいホテル、取ってくれなくてもよかったのに………。」
フカフカのベットに身を沈めながら高い天井を見上げる。
「あぁ、お腹空いた。………ルームサービス頼もうかな………。」
私はあの日の夕食を思い出していた。
鍋とビールに炊きたてのご飯。
湯気の向こうにいるあの男。
「あっ………そう言えば名前………聞いてなかった。まぁ、いっか………今度教えて貰えば。」
そんな事をボーッと考えながら、また二度目の微睡みに落ちていった。