Pathological love
社長室を出ると周りを確認した仲井が、嬉しそうに俺の肩を組んできた。
「秋山!やったな!!マジ心臓縮み上がったよ俺!!でも、何とか皆に面目が立つな!!良かったぁ~!見ろよ俺の手……びちゃびちゃ……アハハハっ!!」
「心配掛けて悪かったな。お前が居てくれて本当に助かった。」
「何だよ急に……照れるだろ?……おい、何笑ってんだ?」
満更でも無い照れた笑顔。
分かりやすい、コイツのこの顔に、やっと俺は安堵の息を吐いた。
「さぁ、帰ろうか。」
「お、おう!今日は成功を祝って打ち上げだ!!いいよな?」
「あぁ、好きな所選んでくれ。」
「よっしゃー!!!」
一つの難所を越えて、俺の気持ちはまた先へと、未来へと確実に一歩踏み出していた。