Pathological love
タレの生姜の匂いが、なんとも食欲をそそる。
「わぁ!凄い!凄い!!めっちゃいい匂いがする!!」
色気より食い気、私はあっとゆう間にしょうが焼きに心を奪われた。
「プッ………大袈裟な。」
「だって、凄いじゃない!売り物みたい!!」
「オラ、冷める前にさっさと盛り付けて運んで。」
連理が食器棚の一番上から真っ白いお皿を取り出して、私に渡した。
「はい!先生!!」
「真っ白いお皿に、私のしょうが焼きがよく映えるわ~!」
私のハイテンションに、連理は相変わらず笑っている。
ダイニングテーブルに、彼が作ったポテトサラダと自家製ピクルスを並べた。
二人分の料理を大皿に盛るとボリュームたっぷりで、如何にも美味しそうに見える。
私は自分と彼のお茶碗に、山盛りにご飯をよそうと、一つを彼に渡した。
「はい!どうぞ!」
「プックククッ…やめろよ………盛り過ぎだし……。」
「どうして?どうせお代わりするなら、この方が楽じゃない。」
笑いを堪えながら、震える手で茶碗を受け取ると連理は手を合わせた。
私も真似して手を合わせた。
『いただきます!!』
私は早速、しょうが焼きに箸を伸ばした。
「あれ?私、こうゆう風にご飯食べた事無いんだけど、直箸でいいの?」
「俺も初めてだけど…別によくない?めんどいし。」
「オッケー!じゃあ、いっちゃうよ?」
私はライトに照らされて、テカテカ光っているしょうが焼きを取って口に含んだ。