Pathological love

タレの生姜の匂いが、なんとも食欲をそそる。


「わぁ!凄い!凄い!!めっちゃいい匂いがする!!」


色気より食い気、私はあっとゆう間にしょうが焼きに心を奪われた。


「プッ………大袈裟な。」


「だって、凄いじゃない!売り物みたい!!」


「オラ、冷める前にさっさと盛り付けて運んで。」


連理が食器棚の一番上から真っ白いお皿を取り出して、私に渡した。


「はい!先生!!」


「真っ白いお皿に、私のしょうが焼きがよく映えるわ~!」


私のハイテンションに、連理は相変わらず笑っている。

ダイニングテーブルに、彼が作ったポテトサラダと自家製ピクルスを並べた。

二人分の料理を大皿に盛るとボリュームたっぷりで、如何にも美味しそうに見える。

私は自分と彼のお茶碗に、山盛りにご飯をよそうと、一つを彼に渡した。


「はい!どうぞ!」


「プックククッ…やめろよ………盛り過ぎだし……。」


「どうして?どうせお代わりするなら、この方が楽じゃない。」


笑いを堪えながら、震える手で茶碗を受け取ると連理は手を合わせた。

私も真似して手を合わせた。


『いただきます!!』


私は早速、しょうが焼きに箸を伸ばした。


「あれ?私、こうゆう風にご飯食べた事無いんだけど、直箸でいいの?」


「俺も初めてだけど…別によくない?めんどいし。」


「オッケー!じゃあ、いっちゃうよ?」


私はライトに照らされて、テカテカ光っているしょうが焼きを取って口に含んだ。


< 49 / 299 >

この作品をシェア

pagetop