Pathological love

「はぁーーーー………。」


「何?今からまた会社?」


「うん。小森のやつが残業だって言ってたくせに、早く帰っちゃって………。課長に資料を出す時はデータじゃなくて、紙で出せって言ってあったのにぃー!!」


「大丈夫?結構飲んじゃってるんじゃない?」


「そうだけど………課長と言っても一応上司だし、次の昇進掛かってるしさぁ………ごめん!片付け出来なくて。」


「別にそれはいいけど………あんまり頑張り過ぎないでね?」


消臭スプレーを私のジャケットに振掛けながら、友は心配そうな顔をしている。


「うん。ありがと!じゃあ、行ってくる!」


「行ってらっしゃい!」


口臭ケアのタブレットを二つ口に放り込むと、火照る頬を押さえながら会社へと急いだ。

社のエントランスを通り過ぎ、いつもの様に警備員に軽く会釈をする。

セキュリティーカードをバックから取り出そうとすると、またもや携帯が鳴った。

画面を見ると恨めしい相手からだった。


「もしもし…小森くん?あなたねー!課長に資料渡してって言ったでしょっ?!帰ったっていいけど、やることやってからにしなさいっ!」


『水川主任すいません!夜飯に行ってる間に課長が来たみたいで………資料は今、提出してきました。………もしかして今、向かってます?』


「はぁーーーー………分かった。もういい…じゃあ後、頼むわね。」


『はい!それじゃ、失礼します!』


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