Pathological love
「どう?」
連理が私の反応を待ってる中、私は大袈裟に背もたれに寄り掛かり脱力した。
「…………………。」
「おい?どうした?しょっぱいか?」
「………………………美味い………美味過ぎるぅ…うう………。」
「あははっ!美味いなら、何も泣くこと無いだろ?」
「いや、でも…先生の監督の下だけど、自分で作った感じがあるから、信じられなくて。」
もう一口、食べてみる。
「あぁ、やっぱり美味しい…幸せ~!!」
「お前の幸せって、安上がりでいいな?こんなんでいいなら、俺はお前に、いっぱい幸せあげれるな。俺ってすげーわ。」
幸せ………これが、幸せ?
「なぁ~んだ、幸せって結構、直ぐ近くにあったのね?気づかなかった。フフッフフフッ!!」
「はっ?マジで言ってんの?冗談なんだけど。」
「ありがとう………。」
何を言っても動じない彼が、唯一恥ずかしそうにするのは料理を褒めた時だと、最近分かった気がする。
「顔………赤いよ?」
「赤くない!!」
「フフフッ!」
「笑って余裕かましてると、しょうが焼き全部食べるからな!」
「あぁー!ダメダメ!!」
隔離された箱の中で、ままごとの様に、私達は束の間の幸せを味わっていた。