Pathological love
おもちゃが散らばる部屋の中、私は怖い顔をした親友に睨まれていた。
「令ちゃん…………一体どうゆう事なの?婚約なんて私、寝耳に水なんですけど?」
「あぁ………それなんだけどね?ちょっと事情があって………婚約はしてるんだけど………普通の婚約とも違くて、お互いの目的の為の手段ってゆうか………」
「令ちゃん………要するに、昇進の為に好きじゃない人と婚約したんでしょ?」
「…………はい。その通りです。」
「はぁ~………。」
呆れ果てたのか、久し振りに友の大きな溜め息が聞こえた。
「何をしたか分かってるの?皆を騙してるんだよ?」
「…………面目無い。」
「何よりも、自分の人生を犠牲にしてるんだよ?」
「………………。」
黙ってる私に痺れを切らして、友は目の前のお茶を、ゴクゴク喉を鳴らして飲み干した。
「はぁ~…落ち着け私………。」
「あの…友…大丈夫?」
「大丈夫かって?!大丈夫なわけないでしょ!!親友が間違った道に進もうとしてるんだよ?落ち着いてなんていられないよっ!!」
(これは、…斎藤さんとの関係知ったら…殺されるな。)
「ごめん!!噂には本当に迷惑してたから、何とかしたくて………でも、婚約はいずれ解消出来るし………ね?」
「解消する気はあるのね?」
「も…勿論!!当たり前じゃない!!私だって、好きでもない人と結婚しないわよ。………だから…ね?機嫌、直して?…ね?」
少しは納得したのか、眉間の皺が少し薄くなった。
「分かった。信じるからね?」
「うん。」