Pathological love
バックに気を取られていると、男の手が何の躊躇いもなく私のブラウスのボタンを弾き飛ばした。
「きゃっ!!」
必死に腕を動かそうとしてもガッチリと両腕を押さえられて動かせない。
無情にもただ見ているしかない状況で、目の前の男が舌舐めずりをするように舌を伸ばした。
「や………め…て…………!」
ゾクッと悪寒を感じた瞬間、強く押さえられていた腕が急に解けた。
「あっ…………。」
腰から砕けて転びそうな私を、甘い香水の香りがフワッと包んだ。
「お前らいい加減にしたら?これ以上するならお巡りさん呼んじゃうよ~~。」
「ゲッ!!お前はっ!カズ…もう行くぞっ!!」
「はぁ?何でだよ?この女、結構いいじゃん、もったいねーって。」
「いーから、来いっ!!」
二人の男は、一人がもう一人を引きずる様な形で逃げて行った。
「まったく、懲りない奴等だ………おい、大丈夫か?」
ぼやけた視界に人の顔が映る。
(誰………?)
「おい?本当に大丈夫か?この瓶のやつ飲まされたのか?」
「平気よ………全然………大丈夫………。」
そう言って自力でその男から離れた瞬間、一気に目の前が暗くなった。
「ちょっとっ!おいっ!!」
「………………………どーすんだよこれ?」