Pathological love
「当たり前でしょ!!だって昨日、熱ちょっとあったじゃない!」
奏也さんはブスッとした顔をして、そっぽを向いている。
「私の所為なのよ。横着して、高いところの物を避けないで引き抜こうとしたら、大きな額が落ちてきて、奏也が庇って怪我しちゃって…。」
「別に…俺が、どんくさかっただけです。京子さんの所為じゃない。」
「奏也…。」
京子さんはご飯をスプーンですくうと、奏也さんの口に運んだ。
「はい!奏也…あ~ん。」
「っ?!!」
いつも、涼しい顔をしてる奏也さんが一瞬にして、真っ赤になった。
「そっそんなこと!しなくていいですっ!!」
「いいから、ゆうことを聞きなさい。仕事も暫くセーブするわ。あなたがいないと私は、何も出来ないもの。それに、いつも世話になっている分、奏也を蔑ろには出来ないわ。看病もしてあげたいし………令子ちゃんには悪いけど、仕事は請けれないわ。」
「京子さん………。」
見つめ合う二人の間に濃い空気が、漂う。
結構な年の差だけど、恐らくこの二人は、そうゆう関係なのだろう。
確実に奏也さんは、京子さんにベタ惚れなのは分かっていたが、どうやら京子さんの方も負けてはいない様だ。
ただならぬ二人の空気に、暫し圧倒されていたが、私は意を決して話し掛けた。
「あの………もし、宜しければ、奏也さんが完治するまで、私に代わりをさせてください!!何でもします!!」