Pathological love
「いくら、バレないようにって言っても、少し、わざとらしくくっつき過ぎじゃない?年甲斐もなく浮かれてるって、また噂されるじゃない。」
彼は思いっきり不満そうな顔で私を見ると、更にグッと私を強く引き寄せた。
「俺は、誰にも乱されたりなんかしない………。」
「はぁ?何言ってんの?」
拗ねたようにフンッと鼻を鳴らすと、連理はそのままソファーに座った。
「で………何の用?俺、本業で寝不足なんだけど………仕事?」
「仕事っちゃあ仕事なんだけど………。折り入って頼みたい事が………。」
「だから何?」
(何でか分からないけど、ちょっと不機嫌だな………。)
「あなたって、料理が凄く上手いよねぇ?プロ並みってゆうか、むしろプロより上手いってゆうか……毎日あなたの料理を食べれる私は、本当に幸福者だなぁって思ってる今日この頃なんだけど………。」
連理の様子を伺うと、さっきより口の周りが弛んできている。
(もう一押し。)
「お店なんか出したら、超有名店になっちゃうんじゃない?ミシュランにも載っちゃうかも!!」
「ちょっと待て………だから、何が言いたいわけ?」
恥ずかしそうに、片方の顔を隠しながら横目で聞いてくる彼に、私は絶好のタイミングを感じ取った。
「芦屋デザインで、一週間程、食事を作らなくちゃいけなくなったから、手伝って欲しいの!!勿論、自分でも出来ることは何でもやるわ!でも、この通りまだレパートリーも少ないもので………どうしてもお力を貸して頂きたく!!どうかお願いします!!」