Pathological love
「常備菜を作って置くと、いつものメニューがより豪華に見えるし、箸休めにも丁度いいんだ。買ってきたものでもいいし、日持ちもするから使える。」
「なるほど。」
「器も、こうゆうのがいい。陶器に蓋が付いてて、蓋を取れば、このまま食卓に出せる。」
「おお!」
「取り敢えず、メインの料理は、一回作ったものを含めた物にしているから、それをまず一人で作ってみて。材料はここにあるから、自分で選んで。」
「えっ?いきなり?」
「はい、スタート。」
連理はそう言うと、ソファーに行って、我関せずとばかりにノートパソコンを開いた。
(分かったわよ!やってやるわよ!!)
私は、自分を奮い立たせて、庖丁を握った。
試行錯誤の結果、何とかしょうが焼きが出来上がった。
お皿に盛って、恐る恐る連理に持って行くと、やっと彼は、興味を示したのか、パソコンを置いて料理に向き直った。
「匂いは悪くないな。ちょっと焦げてるけど、見た目もいい。」
「食べてみて?」
箸を差し出すと、連理は首を横に振った。
黙って口を開けて待っている。
「食べさせろってこと?」
「あ~………。」
(何よこれ………むず痒いんだけど。割り切れ~…私。)
「分かりました先生……失礼します。」
手を添えて、口の中へ入れると、モグモグと口の中で確かめるように咀嚼を繰り返す。
無言の中、ドキドキと緊張していると、連理はやっと口を開いた。