Pathological love

「カンパーイ!!」


冷たく冷えたジョッキを鳴らして、親友の友がビールを美味しそうに飲んだ。


「あぁー!!久し振りのビール美味し~い!!今日は礼音は実家に預けて来たから、どこまででも付き合うよ~!!」


「大丈夫なの?おっぱいは?」


「もう、出なくなっちゃって、今はミルクなんだ。だから、お母さんでも大丈夫。ずっと前から連れて来いって、うるさくて………。今日なんか、帰って来なくてもいいって言われたんだよ?酷いよね?」


「おばさんも、初孫だから嬉しいんだよ。一緒に住みたがってたし。」


「うん。それは分かってるんだけど…甘えたくないから、いいのこれで。」


少し寂しそうにうつ向く彼女を見ると、胸がツンッと痛んだ。


「それより令ちゃん…元気ないね?何かあった?」


「えっ?別に…どうして?」


友はテーブルの上の焼き鳥を一本取ると、私の目の前に持ち上げて振って見せた。


「だって、令ちゃん……焼き鳥が目の前にあるのに、全く手を出さないんだもん。絶対おかしいじゃない?」


「あぁ…そうかな?」


「心ここにあらずって感じ~……さては、仕事で何かあった?」


「仕事は上手く言ってるよ。もう少しで、契約取れそうだし………」


「あっ!じゃあ、恋煩いだ!!偽の婚約者好きになっちゃったんでしょ~?なぁ~ん………」


「っ?!!」


ビクンと無意識に身体が反応する。


「って………嘘??!冗談だったのに、図星?!」


「好きとかじゃないよ………。」


「あぁー………!!ダメだって言ったじゃん!!絶対悪い男だって!騙されてるんだよ!!」



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