2番目じゃなくて、2度目の恋
今までの淳史との時に分かってたこと。
恋愛に、過度な期待は不要であること。
期待を寄せれば寄せるほど、裏切られた時のショックは大きい。
弘人がどういうつもりで連絡をくれたのかは分からないけど、期待はしない。
そう心に決めた。
時計を見ると、午後の10時。
こんな時間に会いに来るなんて何か急用なんだ、きっと。
溢れそうになる気持ちを押し込めて、部屋のベッドに腰掛けて彼を待った。
もしも彼が来たら、この部屋に入れなきゃダメかな。
冷たいお茶でも出さないといけないかな。
玄関先で済むような話なら、それに越したことはない。
震えそうになる手をギュッと握りしめる。
これだけじゃ不安はおさまりそうになかった。
永遠にも感じてしまいそうなほどの長い時間をその場で過ごした私は、時計で確認する度に実際過ぎた時間の短さに驚かされる。
彼に来て欲しくないのか、待ちわびているのか自分でも分からなくなっていた。
「会いたいから」なんて、簡単に言わないでよ……。
そんなの簡単に口にしていい言葉じゃないのに。
それは弘人だって分かってるはずなのに。
弘人が思いを寄せる人はどうなったの?
その人のことが好きなんじゃないの?
考えてもわからない答えを探し続けていた。