2番目じゃなくて、2度目の恋


生理的に受け付けないわけじゃないから、別にいいか。
あくまで結婚相手を探しに来たんだから、細かいことにこだわらなくてもいいか。


だって吉川さんが言っていた。
恋愛と結婚は別物だと。
それならこの浅野さんでもいいってことなんだよね。


「はい、大丈夫です」


どこかの違うお店に移動して、2人で二次会。
その間に親密度を深めて連絡先交換。
こんな流れなんだろう、たぶん。


私がうなずいたからか、彼は嬉しそうに笑った。
その笑い方は、やっぱり好きになれそうにもない。


だけど、もっとこの人のことを知ったら少しは変わるかもしれないし。
ビール一杯とカクテル一杯でそんなに酔ってもいないし、2軒め行くくらいなら……。


飲み会を終えて、「あとは各々でね」なんてみんなで声を掛け合いながらお店を出る。


私の手はすぐさま浅野さんにとられ、引っ張られるようにして国分町を歩いた。


さりげなく手も繋いじゃってるし。
一応恋人ということになっている弘人とだって繋いでないのに。
普通の恋愛ってこんな風に始まるの?
こんなに早い展開なの?
人それぞれだっていうのは分かりきってることだけど……。


今の私には、「普通」が分からない。


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