2番目じゃなくて、2度目の恋


お風呂から上がったポカポカの体にキャミソールとTシャツを着て、ショートパンツを履いた。
髪も乾かさずにベッドにゴロンと横になった。


テーブルに置きっぱなしの携帯を見ていたら、何故か涙が出てきた。
目尻を伝って、枕に敷いたタオルに染み込んでいく。


なんで今頃。
敦史と離れる決意をしたときでさえ出なかった涙が、どうして半年以上経った今頃出てくるのか。


彼に会いたいとかじゃない。
愛し合いたいとかじゃない。
触れてほしいとかじゃない。


私は彼の一番になりたかった。


その気持ちを、伝えられずに終わらせた自分への後悔なのかな。


「会いたい」って言うことが、あんなに勇気のいることだなんて思ってなかった。
我慢してきたワガママを初めて言うのに、あんなに緊張するなんて思ってなかった。


冷たい秋風にさらされながら、凍える思いで聞いた彼の返答。


『無理』


たった一言だけで拒否した、私の勇気。


涙で視界がぼやける。


もう私は誰にも必要とされない。
誰にも愛してもらえない。
誰からも理解してもらえない。


誰からも………………。


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