2番目じゃなくて、2度目の恋


全くもって納得のいかない理由だった。
ナントカさんって、誰だよ。


俺が知るわけない。
彼女は彼女の生活があって、その中で出会った人なんだろうから。


とりあえず、好きになりそうな人がいるから解消したいってことなんだ。
それだけは分かった。


確かに1ヶ月近く連絡もしないで、心配するような言葉もかけないで、それで彼女を繋ぎ止められるのかと聞かれると無理だろうと思う。


普通の恋人同士なら、連絡はどのくらい取り合ってるんだろう?
思い出したときに電話したり、メールしたり、ラインしたり?
そんなの人それぞれだよなぁ。


あぁ、面倒くさい。


………………あ、そうか。


もう佑梨のことを気にする必要は無いのか。
彼女は俺の『恋人』ではなくなったのだから。


俺は同じ提案を他の誰かにすればいいんだ。
引き受けてくれる人がいれば、の話だけど。


もしもいなかったら、どうしようか。
それはあとで考えよう。








自分のアパートに帰って、スーパーで買ってきたものを袋から出しながら少し冷静になった。


もう佑梨に会うことはないのか……。


複雑なことばかりを考えて、そして思っていることをなかなか口に出来ないあの人を、ナントカさんはちゃんと理解してやれるのだろうか。
とってつけたような笑顔を、丁寧に取り除いてやれるのだろうか。


まぁ、そういう俺だって彼女の楽しそうな笑顔なんて数えられる程度にしか見たことはなかったけど。


いや、もう彼女のことを考えるのはやめよう。
もう関係ない人なのだから。






それなのに、どうして俺の頭は佑梨のことばかり考えてしまうのかな。


俺は何がしたいんだ?


どうしてこんなにショックなんだろう?









彼女に対するこの気持ちは、一体なんなのだろう?







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