2番目じゃなくて、2度目の恋


『お父さんもお母さんも、早く望月さんに会ってみたいのよ』


ワクワクしたようにそう言っている母は、きっと携帯を耳に当てながら笑顔なんだろうな。


本当は付き合ってないのよ。
恋人なんかじゃないのよ。
騙してごめんね、お母さん。


弘人は確かにいい人だとは思うけど、彼には忘れられない人がいる。
彼の口からハッキリ聞いた訳じゃない。
だけど私には分かる。


彼を好きになってしまったら、また私は『2番目』になる。


そんなの絶対嫌だから。
だから、あの人のことは好きにはならない。
大丈夫、大丈夫。













そして、弘人と会わずに2週間ほど経ったある日。


私は、現実を見たのだ。
ずっと逃げようとしていた、現実を。


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