七人だけの世界
その後の授業も聞き流し、気付けば放課後になっていた。
チラリと時計を見てみれば、短針は4時を指していた。
やばっ、部活…。と思い、ガタっと立ち上がった。そういえば、今日は部活なしだった。
辺りを見渡す。もう誰も残っていなかった。心ちゃん達は、下駄箱にいるのかな…。
呑気にそんなことを思いながら、教室を出た。
廊下はシーンと静かで、日が差していて廊下が赤くなっている。人がいない廊下は恐怖心を煽りたてる。
早く下駄箱行こ。
早足で廊下を歩く。
階段までは一直線。いつもより長く感じる。ホントに怖くなった。思いっきり走る。
階段に着いたら、タタタッと素早く降りる。途中何度も踏み外しそうになった。
こう見えても、部活は演劇部。意外でしょ?だから、そこそこ体力もあるのだ。
「ハァ…」
下駄箱まで、あと少しとなったから、走るスピードを緩める。
「おーい、心ちゃ…「ねえ、」
突然声を掛けられ、吃驚する。一体なに…?ぐるりと一回転してみるが、誰もいない。それなのにその声はまだ聞こえて。
「ねえ、行かない方がいいよ」
「え…」
心地よい綺麗な声。声の高さからして、女なのだろう。
「あそこは危ないよ。だってあそこは…__」
「え?」
最後ら辺は聞こえなかった。あそことは屋上のことだろう。
まあいいや。
「おーい、心ちゃん」
私は、心ちゃん達の元へ向かった。