七人だけの世界

「お、来た来た。遅いよ、智花ちゃん」


「あー…、ごめん、ボーッとしてた」


既に私以外は揃っていた。由希ちゃんは大輔にベッタリ。胸がズキズキするのは気にしない。


「よーし、全員揃ったな。んじゃ、行くか。謎に包まれた屋上へ」


そう言ったのは圭太くん。先頭切っていくからにして、圭太くんも相当気になっているのだろう。…屋上のこと。


胸がバクバク鳴ってる。行ってみたいような、行きたくないような。


皆はもう靴を履き替えていた。やば、遅れちゃう。急いで上履きを脱ぎ、靴を履く。


「……」


シーンと静まり返る。皆緊張してるから…、聞こえてくるのは屋上への階段を上っている音だけ。


この学校の屋上への行き方は、2通りある。1つは外からこの階段を上っていくこと。もう1つは4階の音楽室から、この階段に出て、屋上に上る方法。


まあ、どちらにしてもこの階段を使うんだけど。音楽室の方は、この階段と音楽室を繋ぐ扉は閉鎖されてる。所謂、開かずの扉ってやつ。


「そういえばよぉ」


突然、優くんが喋り出すから吃驚した。ビクッとなった。マジビビる。


「ここ、立入禁止だよな。…大丈夫なのか、俺ら」


そういえばそうだ。屋上への思いですっかり忘れていたが、この屋上は立入禁止だ。


「そんなこと言ってもぉ、もう着いちゃったよォ、屋上に」


猫なで声みたいなので喋る由希ちゃん。イラってこないのは、彼女が元からこういう性格だからかな。


てか、階段を上ってからまた扉があるんだね。初めてしった。


「それじゃあ行くぞ?」

大輔がそう言うと、誰かの息を呑む音が聞こえた。ギイィィィと音を鳴らしながら扉は開く。




そこは、普通の屋上。……だった気がする。


なんか、頭がもやもやしてきた。頭が真っ白くなるみたいな感じになり、何も考えられなくなる。


睡魔も襲ってきたものだから。


私寝ちゃった。…そのあとどうなったのかも覚えてない。


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