不思議なお客様


先輩の名前は狭山雪子。


私達の一個上で、優しい先輩だった。


私達が昼休み、校舎裏で怖い話をしたら話しかけてきた先輩が仲間に入れて、と言ってきたのがきっかけ。


雪子先輩は、可愛くて勉強もできて運動もでき、まさしく理想の先輩だったが、一つ、問題があった。


それは、この世に存在しない人である、ということ。


「ねぇ、先輩のこと最近見かけないね?」


「確かに……」


尚と紗江が気づいた頃にはもう、先輩は消えていた。


後で、先輩がよく話していた先輩の担任だった先生、輪花先生に話を聞いた。


「そう……あの子、そんなことを……」


先輩は、病気で亡くなっていた。それも数年前に……


そのことを知った私達は、悲しみに襲われたのだった……


それからもう、一年。



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