今すぐぎゅっと、だきしめて。


……な、なに……これ
今、何て言ったの?


あたしの…聞き違い?



ドクン

ドクン



聞いたこともないくらい
心臓が加速をし始めた。

全身に一気に血が回ったせいか
急に体が熱くなったみたい。



鼻と鼻が擦れそう。
前髪が触れる距離で、ヒロはまっすぐにあたしを見つめてる。




ねえ、ヒロ……

今――好きって そう言ったの?




どれだけそうしていたんだろう。

まるで一秒が、永遠に感じる瞬間だった。




伏目がちのヒロは少しだけ顔を傾ける。



「…………」

「…………」



わ……
キ……キスされちゃうのかな……





ドクン

 ドクン

ドクン

 ドクン






目眩が起こりそうで、真っ直ぐの瞳を見返すことが出来なくて
あたしはキュッと瞼を閉じた。






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