今すぐぎゅっと、だきしめて。
喉は、カラカラの砂漠状態。
唇が震えて。
火照りだした顔は、もう隠せない。
容赦なくあたしを見つめるヒロの視線から、逃れるすべも今のところ見当たらない。
「~~~ッ」
どうしようッ!
これじゃ、あたしの気持ち……ちぃちゃんにバレちゃう!
絶えられなくて、キュッと目を閉じたその時だった。
まるで
頭の中に直接響いてくるみたいな
そんな声が耳に届いたのは。
「――……その子、誰?」
え?
聞きなれない声。
だけど
聞き間違えるはずがない、声。
目の前が、真っ暗になった。
その先に、あたしを見つめるヒロがいた。