今すぐぎゅっと、だきしめて。

あの彼氏さんとは、うまくいってるのかな?

そういえば、ちぃちゃん……

さらに綺麗になったような。



――うッ!



そう思うと、目の前で微笑んでいるちぃちゃんがキラキラ光って見えた。


女って…変わるんだ……。


彼氏出来ると…変わるんだね。


何となく、あたしは足元に視線を落とした。


だって。
まるで、あたしの知ってるちぃちゃんじゃないみたいなんだもん。



「もう夏休みだよね? あ、わかった。補習でしょ?」

「えっ? う、うん…」



悪戯な笑みを浮かべるちぃちゃんに思わず胸がドキリと波打つ。

そんな顔は反則だよぉ…!

あたしが男じゃなくてもドキドキしちゃうじゃんッ。


真っ赤になったあたしは、ちぃちゃんの手元の物に気づいた。


それは。



真っ白なカスミソウ。




花束?



< 18 / 334 >

この作品をシェア

pagetop