今すぐぎゅっと、だきしめて。
その夜、あたしは夢を見た。
夜空に浮かぶ 満天の星。
紺色のじゅうたんに
所狭しと敷き詰められた
色とりどりの宝石たち。
彼らは、自分の存在を訴えるかのように
その輝きを強くする。
だけど――……
あたしの目に入ってるのは
たったひとつ。
ピンク色に染まる、美しい流星。
それはどこかつかめなくて
それでいて、儚い星……。
静まり返った街を抜け出して
あたしがたどり着いたのは
それはそれは
どこまでも続いていきそうな
蒼い蒼い、空だった。
そして見つけたんだ。
やっとつかまえた。
あのピンクの星を。
夏の太陽の陽射しを浴びて
その青に溶けちゃいそうな顔で笑って。
そしてこう言った。
『ユイのせいだよ』
とびきりの笑顔。
真っ黒な髪がふわりと揺れて
綺麗な唇から、真っ白な歯が零れて。
彼は、あたしにキスをした。
嬉しかった
幸せだった
でも。
あたしは、泣いていたんだ。