今すぐぎゅっと、だきしめて。
気持ちの裏側に
好きな気持ちって
どうにもならない。
好きになってしまったら
どうしよもない。
あたしの負け。
だから
きっとどうあがいても
あたしはヒロが好きで……。
でも、ちぃちゃんも好きなんだ。
だから……。
「ありがとう、奈々子。 でも、あたし…このまんまでいいんだ。ヒロに想いが伝わんなくても、あたしの事忘れちゃったままでも。 このままで」
「ユイ…」
だから、あたしのこの『想い』は。
秘密にしておこう。
中学最後の夏休み
とっても大切な経験をさせてくれてありがとう。
ヒロ……?
ヒロ…あたしのところに来てくれて
ありがとう。
あたしの変わりに泣き出しそうになってる奈々子を見て思わず「えへへ」って笑ってしまった。
あたしには、こんなに思ってくれてる友達がいる。
それだけで十分だ。
干渉にしたっていたあたし達の背後で、まだまだ真夏みたいに明るい声が降ってきた。
「おーっす」