今すぐぎゅっと、だきしめて。
「でも、真尋ね? 明らかに前とは違うことがあるの」
「うん」
そう言って、ちぃちゃんは体をひねって、あたしと向き合うように立った。
あたしよりもずっと背の高いちぃちゃんの視線が、真っ直ぐに。
射るように、あたしを見た。
「必ず、この家から帰る時」
キッチンの小さな窓の、カフェカーテンが持ち上がる。
深い深い、ポプラの緑。
サワサワと葉の揺すれる音と、ちぃちゃんの小さな息遣いが聞こえる。
真っ黒なちぃちゃんの髪を撫で、伸びっぱなしのあたしの茶色がかった髪がふわりと揺れた。
「ユイちゃんの部屋を見上げてる」
「…………」
え?