今すぐぎゅっと、だきしめて。
告白
それから、なぜか写真館は大盛況。
あたしと奈々子は水谷達に感謝されて、美味しそうなチョコレートをひとつずつもらった。
「……てか、これがご褒美って……」
「うん。あたし達、ぜったいなめられてるよね……」
休憩とっていいよって言われたから、教室の前の廊下で壁に寄りかかりながら、それを口に放り込んだ。
「ま、いっか。 美味しいから」
「だねー」
不思議。
チョコレートって、幸せな気分になる。
「あー! お前ら休憩?」
たくさんの人ごみの中から、飛び出してきたのは
「大樹ー、今までどこ行ってたの? けっこう大変だったんだから」
なぜかもみくちゃにされたみたいに、色んなとこに葉っぱや泥をつけたきたなーい大樹があたし達の前に現れた。
「うわー、きったな。 なにそれ」
奈々子が大樹の頭のてっぺんから足のつま先まで眺めて、そして吐き捨てるように言った。
奈々子!
その言い方、ひどいッ
思わず冷や汗をかいて、あたしも大樹を見上げた。
その理由には興味があったから。
「ひでぇ。 冷たいなー、奈々子は。 俺だって遊んでたわけじゃないっつの」
確かに。
遊んでたわりには汚すぎる。