今すぐぎゅっと、だきしめて。
首を捻ったあたしの顔を見て、楽しそうに笑うとちぃちゃんはそっと体をこちらに向けた。
ちょうど、向き合う形になったあたし達。
「……わたしね? 気づいたんだ」
そう話を切り出したちぃちゃん。
なんだか、寂しいって聞こえてきそうな、そんな声色だ。
風のせい?
大きな瞳も揺れている。
なんで?
俯いていたちぃちゃんは、小さく息を吸い込んであたしをもう一度しっかりと見据えた。
ドクン
強い意志と共に。
「ユイちゃん…………
真尋の事、好きだよね?」
…………え。
真剣な眼差し。
だけど、ちぃちゃんはどこか微笑んでいて。
優しくあたしを見据えていた。
……ち……。
「……ち、ちが……」