今すぐぎゅっと、だきしめて。
「……今、幸せだよね?」
こんなこと聞くの、ずるいかな?
でも、ちゃんと聞かずにはいられない。
どんなことがあっても。
どんなにコンプレックスを感じても。
やっぱりあたしは、お隣のちぃちゃんが大好きで。
ちぃちゃんを泣かせるようなヤツがいたら許せないし。
だから……こんな事を聞くあたしを、許してくれる?
ちぃちゃん……。
振り返ったちぃちゃんは、暗かったけど。
ほんの少しの街灯でもわかるくらい頬が桜色に染まってて。
「うんっ。 すっごく幸せよ!」
本当に嬉しそうに、そして幸せそうに笑ったんだ。
「裕貴さんによろしくね! 行ってらっしゃいっ」
「ありがとう。 行ってきます」
手をふったちぃちゃんの姿が、霞んで見えた。