今すぐぎゅっと、だきしめて。
キラキラと輝いて。
光の中、飛んでいく天使みたいにキレイで。
「…………」
小さく息をのんだのと同時。
頬に一滴の涙が零れた。
これでよかったんだよね?
ヒロ……。
ヒロはちゃんと、前を見てるの?
あたしは、その場に立ち尽くしたまま
走り去るちぃちゃんの背中が見えなくなるまで見送った。
町中の家から、あたたかな光が溢れてる。
それぞれに色んな思いがあって、それぞれのクリスマスを過ごしてるんだろう。
幸せのカタチも、きっとそれぞれなんだろうな……。
あたしの幸せってなんだろ……。
「……」
空からヒラリヒラリと舞いおちる雪。
きっと
神様が世界中のみんなに、贈り物をしてくれたんだ。
あたしはそっと瞼を閉じた。
そして、目の前に広がる光景。
あたしの瞳には、穏やかに微笑む彼の姿が映った。