今すぐぎゅっと、だきしめて。
気づいたら、そんな事を口走っていた。
目を見開いた、ヒロ。
やだ……
早まった……まずはお隣の子脱却からのはずなのに。
そりゃ、「キョトン」ってなるよ!
いきなりちぃちゃんの隣の家の子が告るんだもん!
あたしのバカ!
バカバカ、大バカモノぉぉおおお!
「……なーんて、ね?」
苦し紛れに、苦笑いをしてみる。
「はぁ?」
「ハハッ」
頭に乗っかっていた手を払いのけると
今度こそ勢い良く階段を駆け上がった。
わああああん
『なーんてね』って、あたし、あたし……。
よりにもよって
冗談でした、みたいな事言って逃げるなんて。
つくづくいやになる!
でも
このまま逃げて、今の「告白」なかった事になるまで
ヒロの前から消えるんだ!
そうしなくちゃ、無視されて終わっちゃう!
ここから
始まる前に、自分で終わらせてどぉーすんの!
あたしッ!
「……ユイ! 待てよッ」
……え?