今すぐぎゅっと、だきしめて。
ずっと隠してきた感情が
堰をきったように溢れ出した。
もうどうしよもない。
あたしにはどうする事もできない。
わかんないんだもん。
どうすればいいか。
わかんない。
ただ、あたしを見つめるヒロの前で。
あたしはとめどなく溢れる涙を、隠すこともなく泣き続けた。
「……ッ……うっク……」
嗚咽交じりのあたしの声。
プラットホームのざわめき。
しばらくして。
そっと頬に触れた
あたたかい手のぬくもり。
ビクリと震えた体。
「ごめん……ユイ。 泣かないで」
「ヒロ……ヒロ……あたし……」
そして。
あたしの体は、柔らかくて甘い香りに包まれた。