今すぐぎゅっと、だきしめて。
「触れるってほんと不思議。
てゆか、ん? あれ、ユイ縮んだ?」
「え、そんな事ないよ?
たぶんこの夏より1センチは大きくなってるし」
「いや。 身長じゃなくてさ。
なんか全体的に、小さくなった気がするんだけど……」
抱きしめてる感覚で、何かを試してるヒロ。
その『何か』がわかった瞬間、カアアアと頬が火照る。
「さ、さ……サイテーーーー!
離せッ つか、おろせーッ」
「え、ってうわッ? なんだよ、いきなり暴れんなッ」
ドカドカと背中を強打。
通り過ぎる通行人に、クスクスと笑われてる。
カアアア
さらに火照る体。
やっぱり逃げるしかない。
一瞬の隙を見て、あたしはヒロの腕からスルリと抜け出した。
「え? ちょ……どこ行くんだよ! ユイッ」
「さ、さよならっ」
無理無理無理っ、無理!
恥ずかしすぎるよぉ
もう少し心が落ち着いたら
あたしからヒロに会いに行こう。
そしたら、もっとかわいくて素直な女の子で居られるかな……。
待ってて?
ヒロ……。