今すぐぎゅっと、だきしめて。
花火は、この町の真ん中に流れている川で行われていた。
河川敷はたくさんの人でごった返している。
打ちあがる花火。
そのたびに赤や緑、黄色の光で人々の顔を照らしている。
一瞬で散ってしまう、夜空の花。
……綺麗。
だけど、それは。
なぜか儚くて
「…命……みたいだな」
隣で同じように夜空を見上げていたヒロは、ポツリと呟いた。
ヒロ……。
―――ドォン
―パンパン
見上げた彼の横顔も
夜空に浮かぶ、大輪の花が、幻想的に照らしてる。
この人が、ほんとにユーレイ?
あたしにはそれが信じられないでいた。
確かに、最初は怖かった。
だけど。
今はそんな感情はどこにもない。
―ドォン
――ドドォン
「……あたし、身体、見つけるからね」
「……」
花火の音にかき消されてしまいそうなあたしの言葉に。
ヒロはただ小さく「うん」と頷いた。