今すぐぎゅっと、だきしめて。
もう…だめ……
痛すぎる…
すごいな、あたし。
こんな時だけど、少しだけ冷静だもん。
『アレ』は間違いなく、この世のものじゃない。
さっきまで暑かった部屋の中は、冷気をもったように冷えてる。
喘ぐあたしの口からは、真っ白な息。
寒い…!!
なんで……
痛いし、寒いし……
わけわかんないのが、さっきからあたしを見てるし…・・・
だ……め……
目の前が真っ暗になり、あたしの意識は遠のいていく。
でも、その時だった。
『キミが俺を呼んだの?』
まるで頭の中に直接、話しかけてるみたい。
それはとてもくぐもって聞こえた。
とうとう幻聴まで……
でも、きっとこれで次に目が覚めたら
朝になってるはずだよね?
だから、もうあたしは目を閉じたい。
『怖がらないで』
「……え?」