今すぐぎゅっと、だきしめて。
コワガラナイデ
その言葉が聞こえた瞬間。
あたしの身体は一気に脱力感に襲われる。
なんだったんだろう……
部屋の中はいつもの静けさを取り戻していた。
――カチカチ
壁に掛かっている時計は、再び時を刻みだしたようだ。
体中がだるい。
あたしは時計を見上げた。
三時……
もう、そんなにたってたの?
さっき時計を見た時は二時になったところだったのに。
あたしはなんとか体を起こすと、足首を見てギクリと身体が震えた。
「…うそ、なに…これ」
左の足首には、しっかりと人の手形が残っていたんだ。
ガタガタとク震える手をグッと押さえて、あたしは息を呑んだ。
――オカシイ
だって…
まだ気配が……