今すぐぎゅっと、だきしめて。
……イ……!
…………!
『……ユイ!』
「……ん……」
気がつくと、目の前にはヒロの顔。
酷く心配そうに、あたしの顔を覗き込んでいた。
『よかった……急に倒れるから、驚いた』
その瞳の中にあたしの姿をしっかりと映して
ヒロは安堵の溜息を漏らす。
『大丈夫か? あんまり無理するなよ』
そして、あたしの頬に触れるか触れないかの距離でその手を止めた。
微かに揺れたヒロの瞳。
あたしはそれを、まだはっきりしない意識で眺める。
…………ヒロ
「………ヒロ、ごめん………あたし、間に合わなかった……」
喉の奧がツンと痛い。
瞼の裏が熱い……
搾り出した声は、とても頼りなくて
ヒロの耳に届いたかもわからないくらいだった。