夜一を見たらわかること

「ああ。濱田さんに話しかけて良かったんだ?」

「そりゃそうだろ?
つうか背すげー伸びたな。
びっくりした」

「そりゃまあ。
濱田さんは身長、伸びてないね」

「はっ?座ってるからだっつうの!」

思わず立ち上がってみたものの、あたしの視線は夜一の胸元。

「ほら、小さいじゃん」

小さな笑いが零れた。


「うっせー!
つうか、夜一にそんなこと言われるとは思わなかった。
なんか雰囲気変わったな」

「そうでもないよ」

「そうか?
すごい大人っぽくなった気がすっけど」

そう言って、笑うと夜一も笑った。段々と気持ちが落ち着いてくるのが自分でも分かった。何も言ってこないってことはきっと、夜一はあのことを知らないんだと思う。

「ねえ、顔あげてみてよ」

「んっ?」

言われるまま顔を夜一に向けた。

「どうした?」

「キス、する?」
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